2013-08-17

日経から…『コンビニ経済圏 10兆円市場、店の進化に商機』

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コンビニ経済圏も、

「中食」(外食ではなく、買って帰って食べる)

の動き、興味深い。

 

冨田賢

2013・8・17

http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKDZO58591940W3A810C1DT0000

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収益相関図(3)コンビニ経済圏 10兆円市場、店の進化に商機

 

 少子高齢化の逆風をはねのけ膨張するコンビニエンスストア。2013年度は市場規模が10兆円に達する見通しで、約13兆円のスーパーに迫る。品ぞろえも総菜やいれたてのコーヒー、医薬品に広がってきた。進化を続けるコンビニとの取引で収益を潤す企業が増える半面、外食など打撃を受ける産業も出てきた。

 

いれたてコーヒーなど品ぞろえも増え続けている

 「コーヒーマシンに限らず、店舗の省エネ化などでも関係を深めたい」。富士電機の北沢通宏社長はコンビニとの取引拡大に意欲を見せる。

 同社は13年度、4~6月期の営業損益が開示を始めてから初の黒字になった。発電設備などが主力で期末に利益が集中していたが、大手コンビニと共同開発したドリップ式コーヒーマシンがけん引。関連部門の営業利益は32億円と前年同期の3倍に増えた。1万店規模のこのコンビニ全店にマシンの導入を予定する。

 コンビニの国内店舗数は約5万と郵便局の倍。今もなお拡大を続け、大手3社だけで今期4000店近い出店を計画する。交通の便が悪い地域では社会インフラとしての役割も大きい。代表例がATM(現金自動預け払い機)だ。

 綜合警備保障は01年にセブン銀行から現金の運搬などを受託したのを契機に現金管理事業の拡大に弾みをつけた。「他の金融機関からの受注も増えている」(青山幸恭社長)。今期は11年ぶりの営業最高益を見込む。

 コンビニ売上高の6割強を占める食品でもメーカーにとってコンビニは欠かせない。14年3月期に実質6期連続の増収経常増益を見込むカルビー。主力のポテトチップスで7割弱の国内シェアを握った原動力が販路別売上高の約3割を占めるコンビニだ。プライベートブランド(PB=自主企画)商品の生産を積極的に受託して棚の占有率を高め、湖池屋などとの差を広げた。

 PBでシェアを高める戦略はビールも同じ。サッポロホールディングスがセブン―イレブン・ジャパン向けに昨秋発売し、サントリー酒類が続いた。来店客数の多いコンビニは嗜好の変化など消費動向を知る場にもなるという。

 コンビニ発のヒットも生まれている。製薬中堅のゼリア新薬工業は伸び悩んでいた滋養強壮剤「ヘパリーゼ」のコンビニ専用商品を11年発売。消費者の認知度が急上昇し、14年3月期はヘパリーゼの売上高が2年前から倍増する見込みだ。

 店内が狭いコンビニでは、売れない商品は売り場からすぐにはじき出される。だからこそメーカー側も真剣に商品開発に知恵を絞る。相関関係の中での緊張感が、利用者の消費意欲を刺激し「コンビニ経済圏」の膨張を後押しする。

 

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http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20130817&c=DM1&d=0&nbm=DGKDZO58591940W3A810C1DT0000&ng=DGKDZO58592010W3A810C1DT0000&ue=DDT0000

負の相関 「中食」けん引、外食には打撃も 

 コンビニは調理済み食品を持ち帰って食べる「中食」市場を広げた。高い購買力を生かして高品質な総菜を割安な価格で提供、外食市場を侵食する。例えばファミリーマートが高価格チキンを発売した昨年10月以降、日本ケンタッキー・フライド・チキンは既存店売上高が前年割れ。松屋フーズも2013年4~6月期は最終赤字だ。

 コンビニ側もバラ色ではない。セブンイレブンに総菜を供給するわらべや日洋は3~5月期に4%増収も営業利益は9%減。主力のおにぎりは大きさや価格を細かく決められておりコメ価格上昇を吸収できなかった。