2013-08-17

日経から…『スマホ経済 波及効果、年7兆円 機械・化学など「川上」に拡大 』

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スマホの経済への波及効果、

大きいですね!

 

他業種との相関関係、興味深い。

 

冨田賢

 2013・8・14の日経

http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKDZO58469890T10C13A8DT0000

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収益相関図(1)スマホ経済 波及効果、年7兆円 
機械・化学など「川上」に拡大 

 企業業績の回復が鮮明になる中、ひとつの製品やサービスが幅広い業種を巻き込んで大きな付加価値を生む構図が浮かび上がってきた。新市場の広がりで既存産業が痛手を被るケースもある。「収益相関図」を通じて関連企業の収益動向や株式市場の注目点を探ってみよう。1回目はスマートフォン(スマホ)経済。

 

米アップルと韓国サムスンの2強に、日本勢は高い技術力で食い込む

 「昨年完成した韓国の新工場の立ち上がりが順調だ」。住友化学の野崎邦夫常務執行役員は5日の2013年4~6月期決算発表会見で満足そうな表情だった。

 連結営業利益は前年同期比89%増の245億円。急回復を支えた、スマホやタブレット(多機能携帯端末)に使うフィルムなどの「情報電子化学」部門は、四半期で最高の営業利益100億円(8倍)を稼ぎ出した。液晶フィルムを手掛ける三菱ケミカルホールディングス、旭化成などもスマホ向け部材の好調が増益要因になった。

 パソコン並みに高機能化したスマホは、従来型の携帯にない技術や部品が使われている。スマホ経済は、一見スマホと縁遠い化学や機械なども含めた「川上」の業界へ急速に広がってきたのが特徴だ。ファナックは、米アップルのiPhone(アイフォーン)製造を受託している台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業向けの加工機械の売り上げが全体の17%を占めた。部品メーカーなどの受注が増えれば、製造業派遣や請負業界も潤う。

 米調査会社IDCによると世界のスマホの出荷台数は13年に9億5900万台(前年比33%増)になる見通し。高い技術でアップルや韓国サムスン電子の「端末2強」にがっちり食い込んでいる日本勢は、市場拡大の恩恵を受けやすい。

 産業連関表を使った総務省の分析(2012年版の情報通信白書)によると、スマホ普及の経済効果は年7兆2000億円。うち半分強の約3兆8000億円は通信会社やIT関連メーカーではないその他の産業から生まれている。

 「川下」にあたるコンテンツ・サービスも株式市場の注目が高い。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの大ヒットゲーム「パズル&ドラゴンズ」は、累計ダウンロード数が1700万件に達した。仮想商店街「楽天市場」の楽天も14年12月期に流通総額の半分以上が携帯端末経由になる見通しで「スマホとタブレットが成長のけん引役になる」(三木谷浩史社長)とみている。