『第4回 こんなにある事業提携のパターン!(その2) 』

今回は、事業提携のパターンの解説の続きとなります。

事業提携の企業規模と業歴の観点からのパターン

前回の「こんなにある事業提携のパターン!(その1)では、機能面で、相互補完する観点での事業提携の様々なパターンや、事業構築の段階別の事業提携のパターンについて、解説しました。
今回は、第2回でも少し触れました、事業提携のパターンの企業規模と業歴の観点からです。 事業提携のパターンとしては、企業規模で見ると、中小・ベンチャー企業同士もあれば、中小・ベンチャー企業と大企業、大企業同士があります。
業歴で見れば、業歴の長い中小・企業と業歴の浅いベンチャー企業が組むパターンがあります。

「イノベーションのジレンマ」の観点からの大企業&中小・ベンチャー企業

こういった中、大企業は、新規事業の立ち上げを、既存の人員や設備を有しているがゆえに、常に必要としていますが、資金や人材があっても、新規事業のネタをすべて自社の研究開発やアイディア出しでまかなうことが難しい状況にあります。(このことは、ハーバード・ビジネス・スクールのクレイトン・クリステンセン教授が提唱した「イノベーションのジレンマ」によって説明ができます。「イノベーションのジレンマ」については、ネットで検索すると、解説がたくさん出てきますので、ここでは詳細は割愛します。)
新規事業のネタ(技術、新サービス、アイディア、企画)があるのは、やはり、中小・ベンチャー企業です。逆に言えば、中小・ベンチャー起業が、もし、それを生み出していなければ、存在意義を失い、存続・発展はしていけません。
大企業は、新規事業のネタが不足していますし、推進力に課題を持っていることも多く、他方、お金や人材は、大企業のほうが有しています。
中小・ベンチャー企業は、資金や人材が不足していることが常ですから、大企業と組むことで、それらのリソースを得られ、また、信用も獲得できます。
その点で、中小ベンチャー企業と大企業が組むメリットが双方にあります。

新規事業のための「人」の獲得の面からも有益!

それに加えて、中小・ベンチャー企業では、優秀な人を多く抱えるということは、資金面でもなかなか難しいです。他方、「大企業病」になりがちな大企業にとっては、推進力のあるベンチャー・マインドの強い人材が、社内にはなかなかいないこともありますし、また、新規事業の担当者として、そういった人材を獲得しようとしても、なかなかうまく採用したり、入社後に活躍してもらったりができていないのが実情です。
企業と企業が組む事業提携をすることにより、新規事業の立ち上げに必要な「人」を獲得できますので、「人」の獲得という面でも、事業提携は、中小・ベンチャーと大企業の双方にメリットがあります。
ビジネスは、「お金」と思われがちですが、やはり、ビジネスは「人」です。同じ事業計画でも、誰がやるかによって成果が変わってきます。
私は、今、人材の獲得という面でも、事業提携に着目しています。 当社ティーシーコンサルティング自身も、出来る限り、会社運営において、外部企業と提携して、アウトソーシングする形で、日々の業務を進めるようにしたり、経営チームを作ったり、営業活動を行ったりしています。大企業と組んでいることもあれば、中小・ベンチャー企業、あるいは、個人事業主の方とも組んでいます。

日本経済の活性化のために「事業提携」がもっと必要

私は、日本において、新しい産業を生み出し、日本経済を活性化させるには、事業提携をもっと、もっと、推進していなかければならないと思っています。
大企業が「コーポレート・ベンチャリング」(既存の大手企業が、新規事業としてベンチャー・ビジネスを立ち上げること)を推進するにあたっては、中小・ベンチャー企業と組むことを、是非、考えてみていただけたらと思います。
その際は、大企業の方は、絶対に、企業規模や業歴で比較して、中小・ベンチャー企業を“上目目線”で見ないことです。
中小・ベンチャー企業を、新規事業のネタや、開発力やアイディアを持った人材、営業推進の観点などから、“大切なパートナー”として見ることが大切と思います。実際、それを実践している大企業が、中小・ベンチャーと組んだ形での新規事業の立ち上げに成功しています。
今後、ますます、大企業と中小・ベンチャーの二重構造の“上下関係”ではなく、大企業と中小・ベンチャー企業が、協業し融合し合って、事業提携を進めることで、新しい事業を立ち上げていく時代になっていくと思います。
今回は、「こんなにある事業提携のパターン!(その2)」でした。 来週金曜日の『事業提携のススメ』は、第5回「事業提携先を見つけるには、どうするの?」です。 皆さま、引き続き、よろしくお願いいたします。

2013年3月1日に連載

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