『第3回 こんなにある事業提携のパターン!(その1) 』

事業提携のパターンとしては、どのようなものがあるでしょうか?

事業提携のパターンについて、その1とその2の2回に分けて、説明します。

相互補完の観点での事業提携のパターン

ざっと、書き出してみるだけでも、次のようなものがあります。

私が社長を務める株式会社ティーシーコンサルティングの会社サイトに掲載している図も掲載します。


●新規事業のネタのある企業とネタはないが資金が余っている企業

これは、資金はあるが、新規事業のネタがなく、探している企業に、新規事業のネタを持っている会社が資金提供(出資など)をしてもらって、一緒に製品やサービスを作り上げるパターンです。資金が不足していて、外部から資金調達をしたいと考えている中小・ベンチャー企業にとって、一番、メリットがある事業提携のパターンと言えます。

●人が余っている企業と人の足りない企業

ITエンジニアの派遣事業などで、人が足りない会社が、人が余っている会社にビジネスパートナーとして協力してもらったり、営業パワーが足りない会社が営業マンをだぶつかせてしまっている会社に協力してもらったりするケースなどです。その他、様々なアウトソーシングや事務処理請負の会社なども、このパターンになるかと思います。

●技術開発力のある企業と営業力のある企業

モノを開発できる会社と、モノを開発することはできないが、営業が強い会社が組むことは、とてもメリットがあります。どちらかと言うと、開発系の会社の社長さんは、営業が弱いことも多いですので、自社製品を開発できないが売る力はある会社と組むことは、よい提携となります。

●開発力のある企業と生産力を持っている企業

新しいモノをどんどん開発している会社と、工場や機械など、生産設備をもともと持っている会社が組むことも、リソースの有効活用の観点で、よい提携となります。工場を自前で持たないファブレス・メーカーという言葉がありますが、それがこのパターンとなります。


●営業先が共通の企業同士の営業先の共同利用。

これは、私がコンサルティングの現場でよくやっていることで、例えば、多店舗展開をしている店舗向けのサービスをやっている会社同士が共同で、営業をして、どちらかの会社が開拓した会社を提携先にも紹介したり、営業に行く際に、提携先のサービスも一緒に提案したりする形です。介護事業者向けの物販をやっている会社と、介護事業者向けのシステム開発をやっている会社が一緒に営業するといったことも、このパターンです。

●強いエリアが違う企業同士の地域的補完

これは、昔から、日本国内のクロスボーダーのM&Aのように、東の会社と西の会社がくっつくというように、強いエリアが違う会社同士が提携する形です。海外と日本というケースや、東京都内などでも、考えられる提携です。

技術系企業同士の製品開発の技術補完

製品開発の段階で、技術面で組むというものです。製品開発をしていて、一部分の技術が足りない、といったことが起こった場合、外部のその部分の技術を提供してもらうケースなどです。

このように、事業提携には、様々なパターンがあります。

ここで大切なのは、単に“コラボ”しましょう“という漠然としたスタイルではなく、なんらかの補完関係を具体的に考える!ということです。

単に“コラボ”しましょう!だけでは、話は進みません。具体的に、どこの面で、どのように組むか、ということを頭の中できちんと意識して、提携の話を進めることが大切です。


事業構築の段階の観点での事業提携のパターン

加えて、新規事業の構築の段階の観点からも、事業提携は3パターンあります。

(1)共同開発

研究開発、商品開発の段階から、外部と共同で行うパターンです。売るためのモノ作りを提携して一緒にやるというものです。

(2)アライアンス(提携)

これは、ここで解説してきましたように、新規事業の立ち上げ、事業構築において、足りない機能の部分で、外部を活用するというパターンです。事業開発・構築の人材の獲得、技術の補完、販売や生産の機能などです。違う業種や強みの違う会社と提携して、お互いの強みを使って立ち上げるという形です。 

(3)M&A(買収)して、テコ入れ

これは、買収資金が確保できる会社に非常に有効なものです。他社の事業で、ある程度できていて、今はまだ収支が合っていなかったり、伸び悩んでいたりするが、テコ入れすれば伸びそうな事業を買収するというパターンです。時間をおカネで買うイメージです。一から、アイディアを出して構築していくわけではなく、事業や会社を買収してくるわけですから、スピードが速いです。

これらの3パターンがありますので、実際に、新規事業の立ち上げにおいて、事業提携する場合は、実行する手法(パターン)を明確にすることが大切です。

 

来週は、「こんなにある事業提携のパターン!(その2)」に続きます。

皆さま、引き続き、よろしくお願いいたします。

2013年2月22日 に連載

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