『第9回 儲かっている時に打ち手を多く!そして、「撤収条件」を設定!』

このコラムでは、新規事業の立ち上げにあたっての方向性や戦い方、ニッチ戦略、資金投入の仕方などについて書いてきました。

今回は、私のセミナーコンテンツの中の『強い会社の社長さん達がやっている経営のコツ』の中から、一つ、新規事業の立ち上げにおいて役立つことを書きたいと思います。


強い会社は、儲かっている時に、次に向けた手を多く打っている!

まず、“強い会社”の社長さんは、儲かっている時に、それを浪費してしまったり、あぐらをかいてしまったりせず、儲かっている時こそ、次に向けた打ち手を多く打っています!

儲からなくなってから、あたふたしないですむようにしているわけです。景気動向が悪くなって、あたふたする会社は弱い会社ですね。儲かっている時に、いかに次の手を打てているかが大切です。

つまり、業務拡大を行ったり、新規事業を立ち上げたり、あるいは、人を多く雇ったり、人を育てることに資金を使ったり、さらには、外部の方に何か協力したりということなどです。

 

 


新規事業を立ち上げる際は、「撤収条件」をあらかじめ決めておく!

そういった“強い会社”の社長さんが、打ち手を多く打つ際には、たとえば、事業拡大をする際、業績計画を立て、70%まではよしとしても、30%の未達成となり、それを下回ったら、即座に、その新規事業や打ち手については、撤収なりリストラなりをするということをされている方が多いです。 

つまり、どうなったら、撤収するかを前もってあらかじめ決めておき、その条件に抵触したら、すぐに撤収するわけです。条件とする基準としては、売上、経常利益、営業キャッシュフローなどになります。そのような撤収条件を決めておくことで、新規事業を多数行うことで固定費を増やさない仕組みになります。新規事業の赤字出血によって他の既存事業に悪影響が出ることも避けられます。


新規事業をやめる際の信用低下のリスクへの対処を事前に!

新規事業や多角化がうまく行っている会社は、「撤収条件」を事前に決めていることが多いとはっきり言えます。

それは、新規事業のすべてがうまくいくとは限らないことを踏まえて、撤収のしやすさを考えておくということでもあります。

何か新規事業を始めた場合、それを撤収する際は、
(1)
社内向けの社長のメンツ(社長がやると言って始めたことなのに、言っていたことと違うではないかという言行一致の問題)、

(2)新規事業を担当している社員の意欲への配慮(一生懸命取り組んでいた場合やめたがらないこともある)、

(3)外部への説明の問題(外部に新規事業をやるとアナウンスしていた場合、途中でやめることの信用や評判のリスク)、

(4)親会社への説明責任(親会社がある場合は、撤収することを説明しなければならない)、

(5)撤収がなかなかできないために、赤字出血が続くことへの対処

などの課題が発生します。

そのような問題に信用を維持して合理的対処できるようにするためにも、あらかじめ、売上や営業利益、経常利益、営業キャッシュフロー、投入するトータルの資金額、期間などで、「撤収条件」を決めておき、それに抵触したため、撤収する!ということにすることが必要です。

あらかじめ決めておいた「撤収条件」に抵触する状態になったから、撤収する!という意思決定・説明をすれば、もともと言っていた通りに、言行一致で、やめるわけですから、会社内外からの批判や信用低下のリスクは大幅に減ります。

「撤収条件」を決めた上で、できるだけ多くの新規事業を!

「撤収条件」を決めることは、新規事業立ち上げの本などでもあまり書かれていないことですが、実は、非常に重要なことです。

新規事業立ち上げでは、「撤収条件」を決めた上で、資金支出を怖がらずにしっかり行い、できるだけ多くの打ち手を打つしか、継続して新規事業立ち上げを成功させていく方策はありません。

資金支出をせずに、立ち上げられる事業はありませんので、思い切った資金投入も必要ですが、損切がなかなかできず、赤字垂れ流しとなってしまうことがないように、あらかじめ、「撤収条件」を設定しておくようにしましょう。それにより、社長のメンツや新規事業チームの信用も維持することができます。


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2013年12月27日に連載

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